蝶々の歎き

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貴方は今も未だ探しているの? それとももう見つけたの? 貴方は今<誰>でいるの? 冬の朝か夏の夕か ほら見上げてご覧と囁く声が 渇いた耳に残り その空色は覚えていないわ 廻りゆく風景よりも 変わりゆく私よりも ずっと茲に有るの 貴方が去る先に去った私 下火の中最期に聴けて良かった 数度目かの「愛してる」 摩耗されまいと 終わらせた日々 華やかなままの私をいつも想っていて 対となる誰かなんて 空夢だと言った 空音だと激昂した だって 貴方と誰かが対である時 貴方にとっての私は何になるの? 貴方の対に誰かがいた時 私にとっての誰かは何になるの? だって 私が愛していたいのは独りきりよ! 「「「存在さえ解らないのに」」」 ねぇ きっと 貴方は今も未だ探しているでしょう? 違うのは全てが 私の為であることでしょう? 之れが幸せか不幸せか 知らないし知らずにいるわ だって、私は幸せだから 「「愛してる」」 【白い黒に出会うまで】 【黒い白は迷いつづける】 【死せねば分からない夢】 【死した時知る白い黒】 【彼のページはあと…】  
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