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コンコン
俺は司令室のドアをノックした。
「航空母艦『赤城』より到着いたしました。大和海軍十六夜 橘香中尉です。」
『…入ってくれ。』
「失礼します。」
ドアの向こう側から声がしたので俺はドアを開け中に入った。
「十六夜 橘香です。」
俺はドアの反対側にあるデスクに座っている男に敬礼した。
「あぁ…よくきてくれたな。私はここの司令官兼戦隊長のギュンター=ハルトマン少佐だ。まぁ、堅苦しいのはあまり性に合わないんで、そう堅くならないでほしい。」
「はい。」
ギュンター=ハルトマン…一見するとただの優男に見える彼は戦闘機乗りであれば知らない者はいない名パイロットであり、撃墜王だった。撃墜数928機。これは5機撃墜した者がエースと認められるこの世界ではにわかに信じがたい記録だった。(空を縦横無尽に駆け回る敵機に弾を当てるのは至難の業で加えて相手も自分を殺そうしているのでそれをかわしながら敵を5機も撃墜するんだから物凄い事である)
後ろの窓にはブラインドがおろされていて部屋の中はどことなく薄暗かった。
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