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~東京大空襲の夜~
中佐の命令が聞こえると同時に俺は照準機に敵シャドウの編隊の1番機を収めていた。
《マナ》のお陰だ。
この力のお陰で俺は暗闇に溶け込む全敵機の正確な位置を知ることが出来た。
《マナ》を持たない者、つまりは《マナーズ》ではない者にはまだ編隊の位置すら確認できないだろう。
中佐の命令が終わる寸前に俺は20㎜機関砲を1連射した。
弾が流星のように飛んでいく。
ドドドドッ!!!!
20㎜機関砲の衝撃で機体が揺れる。
次の瞬間、V字編隊の1番機がガンサイトの中で炸裂した。
1番機がバラバラになって墜ちていく。編隊はV字からハの字になっていた。
「まず1…」
20㎜機関砲は機関銃ではない。機関銃なら飛んでくるのは鉛だが機関砲は小さな爆弾が飛んでくるのだ。当たると弾が炸裂するのでその破壊力は半端ではない。人間に当たれば、それこそバラバラさよなら木っ端微塵である。
しかしながら、そんな20㎜機関砲をもってしても大型爆撃機を撃墜するのは容易でない。
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