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首都が燃えていた。
真っ黒な筈の空は真っ赤に染まっている。
『…敵機は西北西高度10000mより帝都に侵入っ!!《マナーズ》の探知によると第2波の敵機数は30機っ!!繰り返すっ…』
ノイズの酷い無線からは司令部からの悲鳴に近い伝達が聞こえてくる。
俺は機首を西北西に向け空の彼方を見た。
「…何が敵機は30機だよ…53機もいるじゃねぇか…」
俺は悪態つく。
『…十六夜中尉、聞こえるか…?』
無線から少し大人びた声が聞こえてくる。
「ええ…聞こえますよ中佐…敵機は53機。接触まで残り3分20秒ほどです。」
俺は絶望的な数字を中佐に伝えた。
少し間が空いてから再び無線から声が聞こえた。
『…そうか…何機生き残っている…?』
「俺と中佐を含めて21機です。」
俺は即答する。
『…分かった…やれるだけやろう…』
「了解…」
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