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あれから5年の月日が経った。蘭も5歳から9歳になりまだあどけなさが残るもしっかりしてきた。
そんなある日、その人は蘭の元にやってきた。
「蘭、お客さんですよ、挨拶しなさい。」
そう言ってセインは、自分の隣にいる女性を見た。
すると、その女性はスッと綺麗な手を蘭の前に出して微笑みながら自己紹介した。
「あなたが蘭ちゃんね、わたしはミオ、ミオ・グロスよ。よろしく。」
だが蘭はすぐに気付いた、この人が本当は蘭とよろしくしたくないことに。蘭はこの5年間でいろいろなことがわかるようになっていた。
今まであまりアースやセイン以外に他の人と関わった事がなかったが。アースとセイン以外で関わった人からは決まって好奇の眼差しを向けられたり、蔑んだような眼差しを向けられたりした。
蘭も最初は何故そんな目で見られるのか分からなかったが、この5年でいろいろな勉強をしてそれがどういうことなのかが分かるようになった。
この人も上辺では笑っているがきっと心の中では蘭の事を蔑んでいるんだと思うと何も言葉が出なかった。
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