少しずつ動く時間

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蘭が不快げに顔を歪めていると、セインがそれに気付いたのかミオという女を早々に帰すと蘭の側に来て蘭を抱き上げた。 「蘭本当にどうしたのですか?知らない人が来て怖かったのですか?」 セインがそう問いかけると蘭は首をフルフルと横に振った。 「セイン、蘭は大丈夫だよ。蘭の事は心配しないで。」 蘭はセインを安心させようとそう言うが、セインはそれに気付いたのか少し難しそうな顔をしている。 だがすぐに何かを思いついたように喋りだした。 「蘭、今夜は一緒に眠りますか?」 そうセインに問いかけられた蘭の表情がパァっと明るくなった。 「うん。蘭、セインと一緒に眠る!!」 その表情にはさっきの事がなかったかのように笑顔が浮かんでおり、蘭のその顔にセインは満足そうに微笑んでいる。
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