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蘭side
「ふっ・・うっぐ・・・えぐっ・・」
泣き止もうと思っても次から次へと涙が零れてくる。
そんな蘭を見てセインは心配そうな顔をしている。
傷は全然痛くないのに止めたいのに涙が止まってくれない。
「蘭、こちらを向きなさい。」
ふいにかけられた声にセイン胸に埋めていた顔を上げた。
そうすると唇に何か触れる感覚がし何かを口の中へ押し込められた。その何かは舌を動かすと口の中でコロコロと軽快な音をたて、それを繰り返すと口の中いっぱいに甘く幸せな味が広がった。
「蘭を元気にするための魔法のお薬ですよ。やっと泣き止んでくれましたね。」
セインにそう言われて自分の目元を触ってみるとさっきまで涙で濡れていたそこも少しだけ乾いていた。
本当だ蘭涙が止まってる。
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