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那「ねぇねぇ。
お花生けるのって簡単？」
春「話逸らしたな………。
ま、いいや。
やっぱ、簡単そうに見える？」
那「まぁ、ね。」
春「花ってね、奥深いんだよ。
少しでも水をあげすぎたり
1日でも水をあげるのを忘れたら
表情が違ってくるんだ。
生けるのもそう。
人によって様々な表情になるの。苛々すると花も苛々してる。
泣きそうだと花も泣きそう。
これは親から聞いた事だけどね！
人も同じ。
那美も1回やってみる？」
那「じゃ、やってみよっかな！」
人も同じ、か。
春香から
様々な種類の花を受け取り
花を生けてみた。
那「………出来た！」
主に淡い紅紫色をした花を使い、
生けてみた。
春「はっはーん。すばり！
那美は今、誰かに嫉妬してる！」
那「えぇえ!?何で!?」
春「図星か………。」
何でわかったのさ？
春「その紅紫色の花はね、
"片栗(ｶﾀｸﾘ)"っていうの。
花言葉は何だと思う？」
那「さぁ…………。」
春「"嫉妬"、なんだ。」
那「嘘っ？」
春「本当。でも、こんなふうに
感情を花に表す人って
珍しいなぁ。
ってか、初めてだよ。
今まで見た中では。」
はぁ。
あたしって単純なのかな………。
．
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