後輩

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ま、その原因は何なのか、 すぐわかったけどな。 「おらー。席に着けー。」 先生がそう言いながら 教室に入ってきた。 凛「………は?」 リコ「だから言ったのにー。」 いや。 お前はテンパってただけだし。 言葉に出来てなかったから。 「何だ?凛太。不満でもあんの? ………ってか、お前の隣で 溜め息吐いてる奴に 体裁を加えたいんだが。」 凛「…………。」 担任は峻。 隣で溜め息吐いてる奴は璃子。 本人はバレてないつもりだな。 リコ「はぁ………。」 クラスの奴等全員の注目株。 璃子はまだ気付かない。 ここまで来ると痛いな……。 峻「よぉ、璃子。」 リコ「…………。」 ありえねぇ。鈍すぎだろ。 峻「…………。」 峻は静かに璃子に歩み寄る。 それでも璃子は気付かない。 峻「………璃子。」 怒りを秘めた声で言っても 璃子はポカーンとしたまま。 ついに峻は実力行使に出て、 璃子の髪を1本抜いた。 ファンクラブの連中に渡したら 結構良い値で売れるだろうな。 リコ「い゛っ!」 峻「よぉ、璃子。シカトか?」 リコ「きゃうっ!いつから!?」 峻「随分前から。 お前、後で理科室な。」 リコ「え!?あそこはいやーっ!」 実は璃子、お化け屋敷が嫌い。 理科室なんかは当たり前。 骸骨もあるし。 まぁ、璃子に拒否権はなく、 それは決まっていた。 .
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