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5分もしないうちに、私は大学内のあるドアの前に立っていた。
古くて厚そうな、木製の押し扉。
――ここ、どこだろう…
手を引かれるままについてきてしまったけれど…さすがに怖くなってきた。
(外にはでてないから多分)大学の中だけど、未知の場所。
辺りには人気がない。
前には不気味な扉。
隣には、白い顔の……ピエロ。
なんでこんな状況になってるんだろう。
そもそもサークル見学をしようと思ってただけなのに……私はこれから、どうなるんだろう……
私が泣きそうになった時、不意にピエロが私の手首を離した。
――逃げるなら今しかない!!
…そう思ったけど、まだ私の足は言うことをきいてくれない。
ピエロは目の前のドアをゆっくり開けた。
…部屋の中、暗い……
ピエロは振り向くと満面の作り笑いを私にむけて、『どうぞ』という仕草をした。その笑顔に、気圧される。
「…は、入れって……ことですか?」
声が裏返る。
ピエロはまたにっこり笑って、コクンと頷く。
…入るしかないらしい。逆らっちゃ…いけない気がする。
一歩、二歩、少しづつ前に進む。
……私はこれから、どうなるんだろう……
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