Ⅱ.Magic×Magic

2/9
2人が本棚に入れています
本棚に追加
/17ページ
5分もしないうちに、私は大学内のあるドアの前に立っていた。 古くて厚そうな、木製の押し扉。 ――ここ、どこだろう… 手を引かれるままについてきてしまったけれど…さすがに怖くなってきた。 (外にはでてないから多分)大学の中だけど、未知の場所。 辺りには人気がない。 前には不気味な扉。 隣には、白い顔の……ピエロ。 なんでこんな状況になってるんだろう。 そもそもサークル見学をしようと思ってただけなのに……私はこれから、どうなるんだろう…… 私が泣きそうになった時、不意にピエロが私の手首を離した。 ――逃げるなら今しかない!! …そう思ったけど、まだ私の足は言うことをきいてくれない。 ピエロは目の前のドアをゆっくり開けた。 …部屋の中、暗い…… ピエロは振り向くと満面の作り笑いを私にむけて、『どうぞ』という仕草をした。その笑顔に、気圧される。 「…は、入れって……ことですか?」 声が裏返る。 ピエロはまたにっこり笑って、コクンと頷く。 …入るしかないらしい。逆らっちゃ…いけない気がする。 一歩、二歩、少しづつ前に進む。 ……私はこれから、どうなるんだろう……
/17ページ

最初のコメントを投稿しよう!