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へなへな~と腰が抜けてしまい、私は廊下に座りこんだ。
な、なんで…?
なんでこんなところに
ピエロがいるのーーーーー!?!?!?!?!?
「ぇっ?…ぇぇえっ!?」
半分パニックに陥っている私をピエロは怪訝そうに見つめる。自分がどうして驚かれたのかいまいち分かっていないらしい。
ああ、とピエロは気付いたようなしぐさをした。
いなくなってくれることを期待していた私の目の前で、ピエロはポケットからゴム風船を取り出した。
ピンク色の、長い風船。
―――なぜ、今、風船?
私は唖然としてだだそれを見つめるしかできない。
キュッキュッ…
ピエロは器用に風船をねじって何かを作っている。
……何で、こんな変な状況になってるの…?
――風船ができた…らしい。
………ピンク色の花。
ピンク色の花を私に渡すと、
ピエロは満面の笑みを浮かべ、その白い手で私の腕をとって立たせた。
……もう、抵抗すらできない。
ピエロは一度私を見つめて、私をつれて何処かへ歩きだした。
……歩きだしたとき、一瞬、ピエロが微笑んだように見えた。
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