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一人の朝なんて毎日だったのに、なぜか寂しいと感じてしまう。
降りしきる雨のせいかもしれない。
簡単に朝食をすませ、詩織から聞いたケーキ屋へ車を走らせた。
一応、ひな祭りだ。
ケーキくらいは、用意してあげたい。
そんな気持ちで、向かったケーキ屋でなぜか詩織が手を振って待っていた。
「駿ちゃん、教えてあげたんだから、私に、感謝してね!お礼は、ケーキでいいよ」
ハァ……ただで教えて貰おうなんて考えていた自分が馬鹿だった。
店で一番安くて小さいケーキを詩織に買い、押し付けて、美佳には、ひな祭り用の菱形のケーキを買って家路を急いだ。
ブーブー文句を言う詩織を置き去りにして。
その道すがら、ふと、目に止まった雑貨屋。
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