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美佳が卒業した。
結婚式も挙げた。
披露宴こそまともにしていないけれど、これから俺達は、家族だ。
その思いは、無残にも打ち砕かれた。
「駿一、酷くない?何から何まで勝手に決めて」
「……悪い」
「私、奥さんとしてじゃなく彼女として、少し過ごしたかったのに」
「…………」
「まさか勢いで結婚するなんて……」
「あれ?直ぐに結婚したいってお袋さんから聞いたけど違ったの?」
「すぐは、すぐでも、すぐすぎる」
プクッと頬を膨らます美佳に負けた。
「かわいい。届け出すのは夏休みまで延期してあげる」
こうして、オレと美佳の同棲生活がスタートした。
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