5769人が本棚に入れています
本棚に追加
/37ページ
オレは、あの時本気で結婚する気だったんだ。嘘なんかじゃない。
そもそもうけるような事か?笑いもしてないし。
「あのね、亜梨。私のわがままに先生が付き合ってくれただけだから」
「ふぅん、先生って、なんか、エロっ!あんた達、嫌ね。傷心の私の前で庇いあって、いちゃついて、たまったもんじゃない」
「なっ……違うし。それより、亜梨別れたの?」
「そうよ。あんたにそれ買いに行ってたら、アイツ前から女と歩いてきた。私に気づきもしないで、通り過ぎた男なんて願い下げだわ」
「……まじで!?」
「だから、ハイ。そんな縁起の悪いもので悪いけどね」
ニヤッと川口は笑って、美佳に渡していたけど、無理しているのがわかる。
「美佳、オレちょっと学校行って仕事してくるわ」
ここは、泣き腫らした目で笑っている川口に譲ってやるか。
オレの春は、まだ、来そうにない。
最初のコメントを投稿しよう!