3月13日 曇りのち晴れ

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オレの実家の近くに、早桜で有名な公園がある。 一本だけ咲き誇るそれは、見る者を引き付ける。 オレは、美佳にそれを見せたくて、夕方、仕事が終わると、ドライブに行こうと誘った。 「駿一、どこに行くの?」 目をキラキラさせて、楽しみにしている美佳。 「んー、行ってのお楽しみ」 そうはぐらかし、オレのお気に入りの洋楽を流した。 それを口ずさむオレを、物珍しそうに見てくる。 「なんか、ご機嫌だよね。そんな駿一、初めて見たかも」 浮かれているわけではないが、デートらしいデートが出来ないでいたオレ達。 やっと。そんな気持ちなんだ。 「ハハ、そうか」 そんな中、美佳が気づいた。 「ねぇ。駿一の実家に向かってる?」
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