3月13日 曇りのち晴れ

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「美佳がそう言うなら、実家に寄らなくてもいいよ。メインは、そっちだから」 堤防沿いの駐車場に車をとめて、外に出る。 「待って!どこに行くの?」 小さいことにこだわる美佳を置いて、さっさと足を進めた。 「駿一!!」 こんな大きな声で呼ばれたことがない。 思わず、足を止めてしまった。 「おいで」 手を差し出せば、飛びつくようにやってきた美佳。 その手を引っ張りながら、目差すは、早咲きのサクラ。 毎年、そこだけライトアップしてくれる。 「駿一、あ……れ?」 「美佳に見せてやりたくてさ」 「うわー、綺麗。幻想的な感じする」 オレに文句言っていた時とは、別人のような声だ。 「まだ、周りは、咲いていないのにね」
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