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その日、帰宅したオレは、さりげなくソファーに座る美佳を見た。
絶対、期待して待っている美佳に、残酷な言葉をかけないと……。
「美佳、ホワイトデーのお返し―――」
「忘れていたんでしょ?いいよ、別に」
オレの話を遮る美佳の顔が切なくみえる。
「いや、そうじゃない。オレがプレゼントって言ったら?」
「キモッ!!無理してそんなこと言わなくてもいいのに。カッコ悪ッ!」
一刀両断。
慣れないことは、言うもんじゃない。
朝のかわいい美佳が嘘のようだ。
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