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車に積んだお弁当を、何処で食べようか?
出来上がったお弁当と一緒にすぐに出発したはいいけれど、そんなことを運転しながら考えていた。
「まずは、幼稚園。駿一の行っていた幼稚園へ連れていって!」
そう言われたけど、幼稚園は、昨年、子供の数が減少し、休園になった。
とりあえず、ついたものの、そのせいか寂しげでに見える。
園舎がひっそりとしていて、飾られるべき色とりどりの画用紙で書かれたものが何もないのが、それに拍車をかけている。
「駿一は、どんな子供だった?」
「普通」
「何、それ。つまんない」
そう言われるけど、言いたくねぇよ。
詩織に顎で使われていたなんて言えるかよ!
寂しげな幼稚園を後にし、小学校、それから中学校と足を運んだ。
中学校の正門前に着いた時、
「あれ?桜井くん!」
左側から女が来た。
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