†第一章†

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「わしの気当たりでも、顔色すら変えんか…。千石龍也、おぬしは一体…」 学園長の呟きは聞くものはいなかった。 「あんたねぇ、何が出来るの?」 沙羅の問い掛けに龍也は 「知っているから抗議に行ったのでは?」 「なら、あなたは魔法が使えない魔法使いって言う噂は本当なのね」 今まで黙っていた奈美が龍也に尋ね、龍也は頷く。 「僕は落ちこぼれです。世界のはみ出しもの」 「あぁ、もう! 何なのこの腑抜けは」 沙羅はそう言い捨てて、奈美と一緒に龍也の前から去っていった。 龍也は一人、冷めた目で二人を見送った。
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