1.籠球・出会い

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これって… ――満員電車みたい! って、そうじゃなくて… 出られない―――!! 「助け…つき」 人波に潰される――ッ!! お父さんお母さん。 先立つ不幸をお許し下さい。 私はきっと世界で一番親不孝な娘です。 そして世界で一番間抜けな死に方をします。 『13歳少女。入学式で窒息死。』 ―――みたいな? って、そんな死に方は絶対に嫌! 私は身を縮ませた。 「も…ダメ…酸素が…」 ――ぐいッ 「――…!?」 私の腕を誰かが引っ張る。 そのおかげで私は人波から出ることができた。 「ぶはっ…一瞬川遊びしてるおばあちゃんが見えた…」 (どこの川だよ) 「おい大丈夫かよ?ピーマンみたいな顔色してるけど…」 「あ…すいません。助けてくれてありがとうございまし…」 …た? 私は顔をあげて驚愕する。 ――…!!!!!! 一瞬にして体の血が青くなったような気がした。 だってそこにいたのは…明るいオレンジ色の髪に、両耳にはシルバーのピアス。
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