1.籠球・出会い

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真新しい制服はすでに着崩されていた。 見るからに…ふ…ふりょ…。 「あり…ありが…と」 「ん?…おい…ちょっとッ!!」 私は小さく呟いて、一目散に逃げる。 だって初めてだったんだもの… ――不良見たの。 「ぎゃぁぁあぁ!」 「待てっつてんだろ!止まれ!そこのチビ!」 「…っ!!」 ――チビって言うな! っていうか、あんたもチビじゃん! 後ろの不良は諦めることなく追い掛けてきた。 やがて距離は縮んで不良の手が私の肩を掴む。 「…ひぃっ!?」 「ハァ…ハァ…捕まえた」 不良は、がむしゃらに走ってきたようで髪の毛なんてぐちゃぐちゃだ。 「離してよっ…不良!」 「はぁ?何言ってんだよ…あんた」 「そんなヒヨコみたいな顔して!この親不孝者ッ!!」 「誰がヒヨコだ!?」 「あんたよ!言っとくけど、うちにはお金なんかないから謝礼金とか払えないんだからね!」 「んなもん、いるか!」 私は力いっぱい不良を睨んだ。
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