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スラっと細長い長身に、整った顔。
そこにはとても中学生には見えないような、女の子の誰もが一目で見惚れてしまう男子生徒が立っていた。
「可愛い女の子に囲まれちゃって…どうしたの?」
「か…可愛いだなんて…」
「社交辞令だよ、バカ」
不良が舌を出して、ヘッと笑う。
――かっちーん
私は不良の足を勢いよく踏みつけた。
「痛っ!!…にすんだよ!このチビ!」
「自業自得よ!!馬鹿ヒヨコ!!」
再び私と不良が睨みあう。
「あはは…君達いいコンビになれそうだね?よかったね、宙」
――え?
「ちゃかすなよ…俊」
「…もしかして知り合い?」
「うん。俺はこいつの幼馴染み笹野俊(ササノシュン)」
にこっと俊君は、私に笑いかけた。
――笑った顔も…いい。
私は思わず赤面する。
「ところで…宙となんかあったの?」
「そら?」
「そ、こいつ、椎名宙(シイナソラ)っていうの♪女の子みたいでしょ?」
たしかに…。
「なんだよ」
「…不良」
「じゃねーって…」
「ヒヨコ頭…」
「しばくぞ?」
やっぱり不良じゃん…
私は横目で不良を睨みつけた。
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