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「おい、教科書見せろ」
命令口調で腕をこずかれる。
入学式から約1ヶ月が流れた。
私と宙は同じクラス。
…の、しかも隣の席。
これを運命と呼ばないでなんというの…?
日頃のおこないがそんなに悪かったの…?
私は頭を抱えた。
「おいってば!」
うっさいわね…こんなやつ無視よ、無視…。
私は頬杖をついて椎名宙から顔を背けた。
「せんせ!!松本さんが無視します!」
「なっ…」
まわりから微かに笑いが起こる。
「また…お前らか?」
担任は面倒臭そうに頭をかいた。
なんで私まで…とんだとばっちりだよ。
私は膨れっつらで宙を睨む。
「お前達は本当に仲が良いよな…もしかして…付き合ってんの?」
担任の先生は目を細めて私と宙を舐めるように見た。
「はぁ?」
何言い出すのよ!
ハゲ村!
私は立ち上がり、ハゲ村こと竹村先生を睨んだ。
「冗談じゃ…」
「そうなんですよー僕達ラブラブなんですよ!ねー?唯ちゃん♪」
――!?
このバカ…何を…。
――唯ちゃん?
全身を悪感が襲った。
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