284人が本棚に入れています
本棚に追加
/11ページ
いま現在、目の前にあるこの光景に心臓が追いつかないでいる。
「裕翔くん、いっつも飯どこらへんで食ってんの?」
「あぁっ!パンとか普通に柵にもたれたりしながら立ち食いみたいなかんじ!」
「知念といつもそんな感じ?青春っぽい事してんなー(笑)」
また、騙された…。昨日の約束通り屋上にきてみるとそこに居たのはちいではなくて山ちゃんだった。
緊張に思わず無言になる。すると山ちゃんが口を開いた。
「裕翔くんってさ、もしかして俺の事苦手だったりする?」
「えっ?!そんな事無いよ!なんで?」
「いや、俺らって2人っきりになる事あんまり無かったし、裕翔くんって俺の前じゃあんまり話さないからさ。」
あぁ、やってしまった。自分のこういう所がいつも相手に不信感を抱かせるのだ。特に好きになった子の場合。
「あのっ!それは…そのっ…山ちゃんの前だと緊張しちゃうっていうか…。」
「ぷっ!何それ(笑)何の緊張だよ(笑)」
「山ちゃんが!可愛すぎるから…!緊張するんだよ!」
言って大後悔。これじゃただのキモい奴じゃないか俺…。
ゆっくり山ちゃんの顔を見やるとぽっと頬を赤くさせて照れた様に笑っていた。
_
最初のコメントを投稿しよう!