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「私……第五元素爆弾を奪われちゃったんです。だからゲームなんて続けたくても続けようがないです」
「それは冴木様のご都合でございます。それでは今回の標的の詳細をお伝えします」
「待って、私……」
「今回の標的は『護衛者』。相手側の要請により、キーワード提示はしなくてもいいようにとの事で、我が運営もその要請を受理いたしました」
「……ぇ?」
「冴木様は第五元素爆弾を使い、護衛者を殺害してください。それのみで今回の勝利条件は達成となり、また必然的に本ゲーム全体においての冴木様の勝利となります」
「待って、まだ……」
「護衛者側のプレーヤーは、我々運営の意図をよく理解しておられます。最初にも申し上げましたでしょう? 最後までヒドゥンサバイバルをお楽しみください」
「は……え……?」
訳が解らないまま、電話は切られる。そして、私が何もせずに呆然と立ち尽くしていると……。
突然、病院の廊下の照明が点いた。
既に使われていない筈のこの病院の照明が。
誰かの手によって点けられた。
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