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彼女の自宅の前で、混乱の極みにあった彼女はその場に居た人間を全て吹き飛ばした。
身柄を拘束されていた母親も例外なく。
そして壊れた。
彼女は母親の死を受け入れなかった。
粉々になったいくつもの骸の中から、何とか母親と思わしき頭部のみを拾い上げ、そしてその後の逃走劇を開始したのだ。
勿論、ゲームプレーヤー達の報告によってその経緯、状況はせいやに事細かに伝えられ、それによって冴木なちの精神の壊れ具合を測った。
家族を全て殺した少女。
最早、自責の地獄から戻ってくる事は叶わず。
涙を流し、狂い叫び、必死で腕を振りほどこうとする少女。
その激しい動きの為か母親の頭は腕から落ちそうになり、それを慌てて掴もうとした為に髪を握ってぶら下げる形となる。
何十人と人間が並ぶ中、この状況を見て息を飲み込まなかったのは、せいや唯一人だ。
「思ったよりも時間がかかったな。さてゲームをする前に確認をしておかないといけない事がある。やれ」
せいやの指示により、なちは複数人によって地面に叩きつけられ、無残に着ているものを剥がされていく。
「やめろ、やめろ~~~っ!」
その状況でも人形と頭部は離さない。
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