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「凶器を何処に隠しているか解らない。穴、隙間、口の中、針一本見逃さずに全てを調べろ」
ボイスコードの高い声で放たれるせいやの言葉は、その場違いな声から狂気じみて聞こえる。
命令を受けた者達はその指示のとおり、相手がまだ中学生の女子である事にもためらわずに、なちの体を隅々まで調べていく。
「殺してやる……殺してやる……」
暴れる狂犬の声は次第に大事なものを守れない事への恐怖の声と変わり、やがては目の前の七英雄を呪う声へと変化してゆく。
その声を受けてもせいやの表情は変わらない。
いや、変わったとしても誰にも気付きようがない。
「七英雄、凶器は何処にもありません」
「では次に使えないように手足を封じる。この後のゲームの為に、右手だけは絶対に傷付けるな」
「ふぅ~っ……ふぅ……」
悔しさと恐怖と怒り。
獣と成ったなちは押さえつけられながらも、ただせいやのみを睨み、到底抑える事の出来ない興奮の呼気を吐き出す。
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