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お父さんとお母さん、二人ともが笑っている姿を見たのはいつが最後だったかな。
忘れる程に昔で、遠すぎて思い出すのが面倒くさくなるくらい。
でも、思い出さないと現実に潰されそうになっちゃう。
比べたら惨めになるけど、比べなかったら、ただひたすら暗い現実に絶望するしかなくなっちゃう。
だから、私は事あるごとに過去の世界から二人が笑っている記憶を引っ張り出し、幸せな気持ちでそれを眺めるの。
本当に昔だから、二人とも私よりすっごく背が高くて見上げるほどだった。
いつもにこにこ笑ってて、嘘だと思われるかもしれないけど、本当に喧嘩なんかしなかった。
で、二人とも私にすごく優しいの。
何でもしてくれたし、わがままだっていくらでも聞いてくれた。
どこにでもあるような、恵まれた家庭にワガママばかり言う子供。
そのまま育ってたら、私って、さぞ一人じゃ何も出来ないワガママ娘に育っていたんだろうなって思う。
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