護衛者

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眉をしかめながらも黙って見ているせいやとは反対に、ようこは悲鳴を上げた。 「ちょっと、こいつ頭がおかしいんじゃないの? これ絶対に悪戯でしょ。あんた、こんなにも金持ちの息子に生まれて、まさかこんなゲームをするって言うんじゃないでしょうね?」 「……そう答えてる」 「無理無理、まさか小説みたいな探偵役になって犯罪者を暴くとか? だから人命に関わるとか? 阿保らしくない?」 「……ゲームの詳細がプレイヤーによって変わるというのなら、探偵役と犯罪者役に分かれるのかもな。僕は探偵側じゃないと困る。……何をするにしろ、人を傷付けるような行動力が要るような行為は、面倒くさい」 せいやの論点がずれた発言に、ようこは怒りを通り越して呆れ顔になった。 「あんた、まさかゲームを信じてるわけ? そもそも、探偵役だとしても、ゲームに参加する為に最低限ここを動かなきゃいけないでしょ?」 「そうか……アナログはだから困る。例えテーブルゲームにしても、体を動かさないといけないものな。ペナルティ付きのテーブルゲームくらいだったら、涙を飲んで参加するけど。もし外に行かないといけないのなら困るな。そもそも、ゲームを開始したら誰にも話せないって言うのも……」 引きこもりの潔癖男は、ぶつぶつと何かを言い始めた。
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