護衛者

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せいやはもう一度、送られてきたメールを開いた。 確認するように、一文字一文字をゆっくりと目で追う。 「各々に開示される条件。複数のプレイヤー。つまりこれは、僕と別の誰かが競い合うゲームだ。それを何故、あたかも自分と僕が競うかのように言ったのか」 「別のプレイヤーの人選に、それ程自信があるって事じゃないの? だってその話を信じるなら、チャットの中の人は運営側でしょ? 或いは、複数の人で協力するゲームかもしれないし」 「……なるほど、そういう見方も出来るか。その手のゲームなら、ネット上にはいくらでもある。問題ない」 幼馴染みとは言え、ようこにはせいやの考えなど微塵も理解出来なかった。 ただ、この神経質男は引きこもりでありながら、異常な程に負けず嫌いでプライドが高い。 おそらく、ゲームに参加しようという意思を変えないであろう事は、彼女には想像が付いていた。 そしてその想像を裏切らずに、せいやの指はマウスに添えられチャットルームが開かれる。
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