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傍から見ていると、交渉も何も有ったものでは無かった。
せいやは、みしまを名乗る人物に完全に乗せられ、ゲーム参加を簡単に決めた。
予想通りの行動に、ようこは呆れると同時に肩をすくめた。
「阿呆らし。自分で決めるのなら、最初から私に意見を求めないで良かったのに。まあ、せいぜい頑張ってね。本当、そんな事にむきになるくらいなら、少しは自立するように頑張ったらいいのに……」
「……誰も意見なんか求めていない」
「はいはい。私はお金を貰っている身だから、まだしなきゃいけない事があるの。後は好きにして。詐欺に引っかかって、おばさんに迷惑をかけないようにね」
ようこは荒々しく部屋の扉を開け、まだ口も付けていないたらこスパゲティを持って出て行った。
一人だけの部屋に、メールの受信アラームが鳴り響く。
「護衛者……。破壊者……」
せいやはそれを見て、眉をしかめた。
どうやら、安易に受けたゲームは悪い想像通り、探偵役と犯人役に分かれるゲームのようだ。
送られてきた内容には若干説明が不足している部分が見受けられたが、せいやは不明な点はチャットにて問い合わせればいいと考えた。
それよりも、そのゲーム内容には彼にとっては重大な問題が有った。
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