焔硝の跡に残る業

護衛者

「ターゲット。……ターゲット？　ターゲットって、何だ？」

一つの単語を食い入るように見つめるが、勿論見るだけでは誰も何も答えない。

チャットで質問する迄も無く、せいやは自分の中で一つの結論を導き出した。

ゲーム主催者が用意するターゲット。それを破壊者役の人間が、何らかの道具で破壊する。

自分の役割では、それをヒントに基づいて何らかの道具を使って阻止しなければいけない。

どれだけの行動力が必要な作業かは解らないが、家を出ることすらしないせいやには、とてつもなく重大な問題に思えた。

外に出る。

彼にとってそれは、対戦格闘ゲームで五十連勝する事よりも難しい。

その彼の目は、当然のようにプレイヤールールの一文に注がれた。

『３．護衛者は護衛する過程で一人だけ協力者の協力を得ることが出来ます』

それを見て、彼はチャット相手に、どのようにしたら申請が成り立つかを聞いた。