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みしまの答えはこうだった。
『何か身分証明書のようなものをスキャナーでデータ化するか、書かれている住所や名前、生年月日等をメール文に転記し送付してくれたら、その人物だと判断する』
その解答を見て、せいやは突然椅子から立ち上がると、入り口付近に有る二段重ねの小物入れを漁りだした。
「……もしかして、何かの役に立つかと思って取っていたが」
元々はどういう用途で使おうと思ったのか定かではないが、取り出したのは高校の生徒手帳。
それを開くと、そこには瀬良ようこの名前が刻まれていた。
躊躇なく、その生徒手帳を取り出すと、せいやはスキャナーに挟んで画像を読み込んだ。
「……これだからアナログは面倒くさい」
せいやの顔は、本当に心底面倒くさそうだった。
『瀬良ようこの協力者申請を受理しました』
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