高鳴り

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そんな事を思いながら、ぼーっと空を見ていたが 「瀧川の番だぞぉ」 先生に俺の名前が呼ばれた。 そこにはため息が混じっていた。 俺は先生に、棄(す)てられていた。 俺は空を見るのを止めて、面倒臭いが黒板に向かって歩き始めた。 そして、黒板に辿り着いた俺は、クラス中を見渡す事無く 「瀧川 優海です。よろしくお願いします」 と一言だけ言って、すぐに自分の席に戻った。 そして、顔を机に預けた。 そう、2年生になった事でクラス替えをした。 今、1時間目はそのために自己紹介をしている。 しかし、俺には他人を知る必要が無い。 なぜなら、みんなは、俺の事をゴミだと思っているから……邪魔だと思っているから、他の奴と関わる事は無い。 みんな、みんな、俺の敵だ。
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