ドレッドノートの章

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……どうやらメスのようだ。 その猫は大和の腹の上にいたが、しばらく彼と見つめ合うと、扉を叩く音とともに、床に降りた。 「おはようございます、大和様」 光が大和の部屋の扉を開けた。 猫が廊下に出たが、光は気付いていなかった。 「ああ……おはよう」 「調子はいかがですか? お疲れとお見受けしますが。一応、二日酔いに効くお薬も持って来ました」 「必要ない、酷い夢を見て少し寝不足なだけだ」 「まあ。どのような夢ですか?」 「覚えていないが……随分うなされ、かなりの汗をかいた」 「左様でございましたか……今晩は枕を変えてみましょうか? それとも指の骨が折れるまで肩をお揉み致しましょうか?」 「結構だ……なんか怖いぞ、それ」 光はカーテンを開けながら今日の日付と天気予報を大和に伝える。 そして、カートの上の料理を準備しながら、棚の上に置かれたある物に注目していた。 大和がシャツのボタンを締めていると、光はとうとう我慢できなくなり、彼にこんなことを尋ねた。 「あの、つかぬことをお伺い致しますが……それはもしかして『かっぷめん』でしょうか?──」 ──こうして、大和が長門家を尋ねてから3日目の朝がはじまった。  
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