ドレッドノートの章

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「知っている……一作目、100LDKは社会で戦うサラリーマンのカッコよさを描き、 20代前半を中心とした新社会人をターゲットに、彼らへの鼓舞、という願いを込めた。 二作目のQLDKは家族の喧騒と仲直り、つまりはそのまま、『家族間の喧嘩はときに複雑だが、それは子(当人)の成長や環境の変化により打破できる』だろ」 「そうそう、ならびに第二部は光と慎の成長を描き、それによって光は二作目のラストで君の誘いを一度断る。 けれど梢様はそこで娘の成長を感じ、雛鳥の旅立ちを後押しするのさ」 「……そして三作目で雛鳥は死んだ」 「ああ。三作目のキャッチコピーは『婚葬』、結婚と葬式を意味している。人生において避けては通れない、籍を入れることと誰かの死についてだ。 まあ、つまり、物件シリーズはさ、誰しもが通る人生の系譜を表わした物語なんだ、ぜ」
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