ドレッドノートの章

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「……話が堂々巡りになりそうだ。さっさと試練をよこせ。突破して俺は現実に帰る」 「帰ったところで八名八問が待っているのに……わかった、ぜ。俺による最後の試練、裏八問目は……光を幸せにしてくれ」 「なんだと? しかし光は……」 「大和、君のその生涯を持って、あの子を幸せにしてやってくれ、それだけの価値が、あの子にはある。それが裏八名八問最後の試練だ。 突破の証は……またきっと会えるからさ、いつか、そのときに……」 そう言って京は立ち上がった。 「お、おい……待て! 勝手に……!」 京の背中を追おうとする大和だが、突然、重い体重が大和を押しつぶす。 「大和たまー! ぶちゅー!」 「あ、アイオワ!? 離せ、離せ! 重い、き、キモイ……!」 「──ナアモ」 目覚めた大和の目の前に、猫の目があった。 ふんわりと、動物用シャンプーのいい匂いがした。 「なんだ……お前は」 過日に写真で見たブリティッシュショートヘアのようだ。 首輪につけられた金のメダルに『IOWA』と刻まれている。  
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