悪夢の始まり

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月が雲に隠れ薄暗く辺りを照らす 時折、不気味な鳴き声がする そんな、場所に短髪の男が一人、そこに立つ屋敷の前に立っている。 なにかをする訳でもなく、ただ屋敷を眺める。 風が強く吹き、不気味な鳴き声がさらに聞こえるが男はそんなことにも気にも触れず、ただじっとたたずんでいた。 雲に隠れていた月が、辺りを照らし始めたその時ーーーーー なにも反応を示さなかった男は、背中を丸めると小さく震え始め、背中から翼が現れる。 月が、男を不気味に照らす。 大きく翼を羽ばたかせると、男は自分を照らす月を眺めると、不気味な笑みをみせる。 そして、たった一言、一言だけ言葉を話す。 「狩りの時間だ」 そう言うと、さらに翼を羽ばたかせ空に暗闇の中に飛び立ったーーーーーーーーーーーーーーー。 時を同じくして別の場所ーーーーーーーーーーーー 机に組んだ脚を乗せ、椅子にもたれ 顔には、新聞を被り、うたた寝している一人の男がいる。 男の眠る机の周りには、資料・本・新聞などが散乱し、足の踏み場がない程の散らかりようである。 静寂がその部屋である場所を支配する。 ただ聞こえるのは、寝ている男の寝息くらいである。 そんな、静寂が長く続くかと思われた時ーーー ドンドン!!ドン!! 物凄い勢いで叩かれる扉の音で、眠っていた男は驚いたのか体を大きく揺らすと、その反動で腰を掛けていた椅子からずりこける。 ドサッ 「い、イテッ・・な、なんだっ!!」 腰を摩りながら、立ち上がるとまだ、目が覚めきらない頭で音の成る方に視線をやる。
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