VS 君。

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《蜘蛛の糸》 なんのアテもないのに 宙を漂う 同じ一本の蜘蛛の糸の 端と端を 同時に互いに 掴んだような君と僕 切れてしまわないように 絡んで短くならないように そっとねそうっと 恐る恐るだけどしっかりと たぐり寄せては近づけて やがて巡り逢えたんだ その糸は赤くもないし 太くもない 空気みたいに軽すぎて ふわふわしちゃうけどね それでもさ ふたりで一緒に大切にして 決して 切れてしまわないように 守ってゆこう そしていつか 糸なんかなくても 繋がっていられるようになったら いつまでも この蜘蛛の糸みたいな 運命に身を委ねてないでさ 手を離して 風に流してしまおうね 君と僕だけ ふたりきりで出逢った この力を信じて 繋がってゆくためにも
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