VS 君。

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《星座》 初めての冬 夜空の下 小高い丘 澄んだ空気 冷えきったベンチにふたりきり マフラーに顔を埋めながら オリオン座を 自慢げに解説する君 なんにも知らないふりして僕は 君が指差す星を見上げて 「へぇ~そうなんだ」って 頷いて見せてるけどね 今の僕は上の空 君は気づいていないだろうけど 僕だけの星は 隣にちょこんと座ってて さっきからずっと にこやかにかろやかに 瞬いているんだよ オリオン座が ふたりの吐息で 白いため息をついたように見えた
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