~第一章~

5/17
前へ
/31ページ
次へ
「─月君、望月く~ん?」 「!?は、はいっ!」  ヤバイ、もう僕の番まで廻って来てたのか。 「あぁ良かった、名前間違ってるのかと思ったよ、読み方、もちづき君で合ってるよね?」 「は、はいそうです、望月です。」 「じゃあ望月君、自己紹介を頼むよ。」  ううっ視線が痛い、なんか笑い声が聞こえる気がする、落ち着かなければ…あれ?みんな自己紹介でどんなこと言ってたっけ? 「え~、東二中から来ました望月啓太(もちづきけいた)です、初めまして、え~趣味はゲームとマンガです、え~中学のときは水泳部に入ってましたよろしくお願いしますっ。」  …どうだ?みんなたぶんこれくらいでしょ?一分もしゃべってないけどもう無理だお願い先生次に進めて下さいっ 「…はい、では隣の列に行って、矢部さん」  どうやら助かったようだ、…でも完全にやらかしてしまった、間違いなくしゃべってる間顔真っ赤だったし(だって今も熱い)何より僕のテンパり様はみんなの頭にインプットされてしまっただろう。  あぁ、入学早々テンパり君なんてあだ名がつかないことを祈りたい…。
/31ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5人が本棚に入れています
本棚に追加