いっぱい

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久しぶりに会う貴方。 つきあってるのになかなか会えない。 だから不安でいっぱいなの…。 「久しぶり!」 大好きな声。 「久しぶりだね」 心臓がドキドキうるさい。 「この映画にしよっか?」 そういって手を引っ張る貴方。 「それ美味しい?!」 と無邪気に笑う貴方。 「うん。似合う!」 そう言ってくれる貴方。 でも私には気持ちが届かない。 そんなまま帰る時間になってしまった。 さよならして少し歩いてから貴方は言った。 「ねぇ…今日体調悪かった?」 「え…。そんな事ないよ」 近づいてくる貴方。 「…なんか。お前つまんない顔してた。久しぶりなのにさぁ。嫌なら嫌って言えよ」 なんでそんな事言うの? 嫌いじゃないのに。 ただ…不安なだけなのに…。 「おい、何泣いてんの?」 無意識に泣いてしまった私。 何かが切れた音がした。 「つまらないんじゃない。嫌なんじゃない。けど…なかなか会えなくて、貴方が遠くて、不安でいっぱいなの。好きって私だけ?って思っちゃうの。たまには『好き』って言って欲しかっただけなの。」 思いっきりぶつけた気持ち。 ずっとずっと言いたかった。 「たまにで良いの?」 貴方は笑って抱きしめた。 「なんで笑うの?」 「俺愛されてんなって。好きな子がこんなに思ってくれてたなんて知らなかった。ごめんな。気づけなくて。」 抱きしめたまま話し続ける貴方に私は言った。 「わがままでごめんなさい」 「そんな事ないよ。好きな子のわがままならなんでも聞きますよ。だからね、ちゃんと言ってね?今までの分も込めて言うからちゃんと聞いてて」 「愛してる」 力いっぱい抱きしめた貴方が言ってくれた。 今までのいっぱいの気持ち。 貴方の顔が真っ赤でした。
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