気持ち。

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私はバスケ部のマネージャー。 今日は大好きな先輩の最後の試合。 「シュート…!」 思い切り願いを込めた。 この試合で勝ったら告白すると決めたから。 ピー… コートに笛の音が鳴り響く。 …入らなかった。 私の告白のタイミングもなくなった。 私は泣いたまま先輩を見た。 「何泣いてんだよ」と 悔しそうな笑顔で口を動かす先輩と目が合った。 「あーあ。今日は大事な試合だったのになぁ…」 本当…スコア表つけてて良かった。 先輩と2人で反省会はいつもの事。 「でも…。すごく良かったですよ?今日の先輩。」 「…今日は勝たなきゃいけなかったんだよ…」 試合のような真剣な顔をする。 ふと目が合った。 驚いて背けてしまった私 「な…なんでですか?」 「告白するって決めてたから…かな?」と苦笑いの先輩。 告白…私と同じ思い。 誰に? 同じマネージャーの先輩? 同じクラスの人? 誰…。 私は無意識に泣いてた。 「え…ちょっと何?なんで泣くの?」 焦る先輩を見て私は口を開いた。 「私…先輩が好きです。先輩と同じ事思ってました。本当は試合に勝ったら…告白…しようって…決めてました。でも…先輩には好きな人いるんですね。ちょっとずるしちゃいましたけど…先輩が好き…です。」 先輩の顔が見れなかった。 どんな顔をしてるのか怖くて見れなかった。 「すげーな…」 意外な言葉が返ってきた。 「なん…」 「以心伝心?」 遮るかのように先輩は話した。 「俺らすげーよ。同じ事考えて、同じ思いでいてさ。…じゃあ、俺もずるだけど…。お前が好き」 私はまた泣いた。 「お前泣きっぱなしだな」 って言って抱きしめてくれた。 「俺と付き合ってください」 「…はい」 私はこんなに幸せでいいんですか? 私今すごく幸せです。
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