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気づけば、いい時間になっていた。
『もう、こんな時間…』
『そうやね…そろそろ仕事にもどらなきゃ』
そう言って宮川さんはシャツを着はじめた。
置いて行かれる感じが堪らなく寂しい。
背広を着ようとした宮川さんに思わず抱き着いた。
『ごめんね…もう行かなきゃ』
『うん…わかっとる』
宮川さんは私の体を離し、優しく笑った。
『また来ていい?』
『うん。いつでもいいよ』
『ありがとう。じゃあ、またね』
玄関のドアが閉まって、一人になった。
やはり、寂しい。
宮川さんが帰ってから、私はまた布団へ逆戻り。
宮川さんが居た跡を探した…。
夢じゃありませんように…
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