第一章 最後になるとき

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…生きている? 僕はゆっくり目を開けた。 目の前にいたのはバンギラス。…の背中。 誰かと話をしているようだ。 「どうだった、残りの二人は」 ここは大きなテントの中のようだ。僕は布団に寝かされている。 「駄目です。どちらもひどい物で…あ、気がついたみたいですよ?」 サーナイトだ。声からすると雌みたいだ。バンギラスの肩越しにこっちを見ている。 「おお…気がついたか…気分はどうだ?人間さん?」 「あなたは?」 「俺か?俺はバング。ヘルフリッツ軍の小隊長だ…君は?」 「ジャック…です…」 「私はサーラ、隊長の部下です。」 「どうして僕を殺さないんですか?」 「どうしてって…殺す理由が無いだろう。それに、勘違いしているようだな」 「勘違い?」 「君らを追っていたのは西のサイトワール軍だ、さっきも言ったが俺やサーラは東軍、ヘルフリッツ軍だ」 ヘルフリッツ…?そういえばバンギラスの着けている鎧は青い。追って来た奴らは朱色だった。 「俺達はパトロールをしていた所、火炎放射らしき光を見たんで急いで駆け付けたのさ」 「それであなた達を発見。サイトワール軍を殲滅し、あなた達を保護したのよ」
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