菜の花畑にて

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僕は足早に芭蕉さんに近づく。 もちろん、右手は手刀の形で。 断罪チョップの準備は万端だ。 (昨日考えたばかりの新コンボを、後ろから決めてやろう) 芭蕉さんがどんな反応をするか想像するだけで、自然と口元が緩んでしまう。 芭「ちょうち、うわ!?」 曽「!!」 突然、芭蕉さんの体が後ろに傾いた。 反射的に体が走り出していた。 芭「いったー……くない?」 芭蕉さんは不思議そうに僕の方を見た。 芭「え!?そ、曽良くん!? まさか、私の下敷きになってくれたの?だ、大丈夫!?」 (……やっと、映った。この人の世界に) どこかほっとしている自分に気づき、イラっとしたので芭蕉さんに断罪チョップを食らわせておいた。
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