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私こと、二ノ宮加奈(ニノミヤカナ)は今日も困っている。
高校に入学して2年も経ってしまったが今日は中々のピンチだ。
帰宅途中だったのだが電車を降りてから跡をつけられているのである。
後ろにいるストーカーの鼻と私の後頭部の間は僅か30cm弱。
私が少しゆっくり歩くと・・・
ぐじゃっ
「痛っ」
ほら、ローファーの後ろ踏まれた。
だが問題はそこではない。
いつもは帰宅時に電車を降りた後に200m程度跡をつけたら去るのにもう少しで家に着く今もまだ後ろには彼がいる。
「ハァハァ」
息が後頭部に来て、とてつもなくキモい。
こういう日に限って親は電話に出ない。
家の場所を知られるのはなんとしても避けたいので引き返して、近所のアイスクリームショップへ行きアイスを食べて事なきを得ることにした。
彼はやはりついてきて別のテーブルで私と同じアイスを食べていたが真後ろに居ないだけ良かったと考えよう。
やっとこさ母と連絡が取れたのは電車を降りてから2時間後だった。
その間、アイスクリームショップの店員以外とは会話をしていないが退屈している暇はなかった。
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