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「何それ、どういうこと?」
階段を上がりながら、問いかけた。
「考えることが多すぎるって意味」
恥ずかしそうに、その笑顔を隠すように俯いて、ジョシュアは答える。
立ち止まってきみの顔を下から覗き込もうと屈んだら、くくく、って笑って顔を背けられた。
背けた首筋に視線を落としたら、うすい皮膚の下に緩やかにのびる血管が透けて見えた。
そういうところを発見するたびに僕は、きみの身体が大人に向かっているということを確認する。
同い年で背格好も変わらない、だけどこころの中身までは同じようにはならない。
ジョシュアは僕よりもひどく大人びているけれど、それはこころの脈が僕よりも随分と多いからだと思う。
だってほら、笑い方だってこんなに違う。
俯きながら笑ったときの、きみの厚い下唇。
不器用に持ち上げられたやわらかな頬。
素直に顔全部で笑えばいいのに―――ジョシュアは口元で微笑を作ってから、そろそろと視線に感情を走らせる。

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