存在する意味

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普段のルナからは想像もつかないくらいの気弱な態度に流石の俺でもルナがおかしい事に気づいた。 だが、ついさっき……あのクソアマと口論になる前まではいつも通りだったのに、この短時間で何があったのだろうか? ……あ、バレットまだ持ったままだった。 俺は未だ右手に下げていた対物ライフルを消し、手持ちぶさたになった右手で頭をガリガリと掻く。 き、気まずい……。 「何を勘違いしてるかは知らんが、俺は怒ってはいねぇぞ」 「え……? じゃあ、何で私の顔を見ないの?」 取り敢えずルナの誤解を解くためにそう言ったのだが、逆にルナは俺が目を逸らす理由を追及してきた。 何で、って言われてもな……。 「その、な? あんな大見得切った挙げ句実際俺一人じゃ何にも出来ない事に気づいてさ。 自分が情けなくて」 そう言いつつ俺も目線を斜め下に下げる。 そう、実質俺は独力で勝利した事は数えるくらいしかない。 ほとんどは龍使いとして騎龍の力を借りていたし、アワリディアにしたってレイの力が無ければ撃退すら出来なかっただろう。
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