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セツナ「ウッ・・・また起きちゃった・・・」
僕は今拷問に使われるような部屋に足に錘(おもり)をつけられている
ここにいる理由は簡単―――『魔力が無い』それだけ
僕の家は五大貴族と呼ばれるうちの火の貴族『フレイミア』で、魔力が無いことは許されない…らしい
「ん……おはよ…」
セツナ「おはよ、エリン」
この子の名前はエリン
僕より1歳下の獣人だ
頭にピョコッと犬のような耳が生え、お尻のほうからは尻尾が生えている
まぁ…とても可愛い
だけど、顔や体は魔法や剣術の実験台にされているため傷だらけ
もちろん僕もだ
しかし心を閉ざしてないのはエリンがいるから、それだけだった
カツン…カツン…
今日も誰かおいでのようだ
「さ、今日もたくさん実験してあげますからね」
「おい、俺の魔法の実験台だろー」
「別にいいじゃないか、どうせ逃げないんだから…ハハッ」
こいつらは上から俺の妹のロウファ、土の五大貴族のウォル、雷の五大貴族のオームだ
正直言ってこいつらは憎い
僕だけならまだいい
なのにエリンも傷つけて、なのに平然と笑っている
それが許せない
僕に…僕にもっと力があれば―――
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